標高とジオイド高の関係
1. 標高と比高の定義
地理での高さは、平均海面からの高さである「標高」が用いられることが多いです。
任意の2地点をとった場合、両地点の標高の差を「比高」といいます。
2. プロミネンスについて
地誌学では、山や丘の頂上について、その頂上を囲む等高線の中で、その頂上よりも高い地点を含まない最も低い等高線からの比高を「プロミネンス」と呼びます。
3. 日本における標高の基準
日本では、離島を除く標高は東京湾の平均海面である「東京湾平均海面 (T.P.)」を基準としています。
実際の測量基準点としては、かつての陸地測量部があった国会前庭に設置された「日本水準原点」(標高24.39m)が用いられています。
4. 海抜と標高の違い
海抜も高さを表す表現で、一般的には「標高」と同様に使われますが、東京湾ではなく、各港湾などの平均海面を基準にすることが多いです。
津波対策や高潮対策では、地域ごとの平均海面に基づく「海抜」が重要です。
5. ジオイドと楕円体高
RTK(リアルタイムキネマティック)で取得される高さデータは「楕円体高(地標高)」と呼ばれます。
これは地球全体の平均海面を基準にしたジオイドに基づくものです。
6. 標高とジオイド高の関係
標高と楕円体高の関係は以下のようになります:
標高 = 楕円体高 - ジオイド高
7. 現在の課題と今後の対応
現在、日本の地理院が提供するデータは全て「標高」ですので、正確な測量のためにはジオイド高を求め、それを基に「標高」を計算する必要があります。
そのためのアプリを作成中ですので、後日報告させていただきます。