
AIと画像解析で場所を特定する技術
OpenCVとAIについて
OpenCV(Open Source Computer Vision Library)は、オープンソースのコンピュータビジョンと機械学習ライブラリで、画像解析やビデオ処理を簡単に行える強力なツールです。Python、C++、Javaなどの多くのプログラミング言語で使用できます。
AI技術と組み合わせることで、OpenCVはさらに強力な解析を可能にします。たとえば、以下のようなタスクが実現可能です:
- 物体検出や認識
- 画像内のパターンマッチング
- 映像解析によるトラッキング
本記事で紹介する技術は、AIの基礎的な部分である「画像パターン認識」を利用しています。部分画像を全体画像の中から探し出し、その一致する箇所を特定します。さらに、AI技術を用いて複雑なパターンや変形にも対応することが可能です。
2枚の写真から特定された場所
以下は、SNSに投稿された2枚の写真を解析し、特定の場所を割り出した結果です。OpenCVとAIを組み合わせた画像解析技術を用いることで、建物や景観の一致を確認し、精度の高い特定が可能です。


解析結果
以下の画像は、特定された部分を示しています。矩形で囲まれた領域が、一致した部分です。

さらに、特定された部分を切り出した画像も以下に示します。

技術的な背景とソースコード
この解析は、以下のPythonコードとINIファイルを用いて実現しました。
Pythonコード
import cv2
import configparser
import os
# INIファイルの読み込み
config = configparser.ConfigParser()
config.read('config.ini')
# INIファイルからパスを取得
base_path = config['Paths']['BasePath']
part_image_file = config['Paths']['PartImage']
full_image_file = config['Paths']['FullImage']
output_matched_file = config['Output']['MatchedImage']
output_cropped_file = config['Output']['CroppedImage']
# ファイルのフルパスを作成
part_image_path = os.path.join(base_path, part_image_file)
full_image_path = os.path.join(base_path, full_image_file)
# 画像の読み込み
part_image = cv2.imread(part_image_path)
full_image = cv2.imread(full_image_path)
if part_image is None or full_image is None:
raise FileNotFoundError("指定された画像ファイルが見つかりません")
# テンプレートマッチングの実行
result = cv2.matchTemplate(full_image, part_image, cv2.TM_CCOEFF_NORMED)
min_val, max_val, min_loc, max_loc = cv2.minMaxLoc(result)
# マッチング結果の位置を取得
top_left = max_loc
h, w, _ = part_image.shape
bottom_right = (top_left[0] + w, top_left[1] + h)
# マッチング部分を矩形で描画
matched_image = full_image.copy()
cv2.rectangle(matched_image, top_left, bottom_right, (0, 255, 0), 3)
# 結果を保存
matched_image_path = os.path.join(base_path, output_matched_file)
cv2.imwrite(matched_image_path, matched_image)
# マッチ部分を切り出して保存
cropped_area = full_image[top_left[1]:bottom_right[1], top_left[0]:bottom_right[0]]
cropped_image_path = os.path.join(base_path, output_cropped_file)
cv2.imwrite(cropped_image_path, cropped_area)
print(f"Matched image saved at: {matched_image_path}")
print(f"Cropped image saved at: {cropped_image_path}")
INIファイル
[Paths]
BasePath = C:\path\to\your\images
PartImage = part_image.png
FullImage = full_image.png
[Output]
MatchedImage = matched_image_result.png
CroppedImage = cropped_area_result.png
解説
このPythonコードは、INIファイルを通じて柔軟にファイルパスや出力設定を変更できるように設計されています。テンプレートマッチングの手法を使用し、部分画像が全体画像内のどこに位置しているかを高精度で特定します。
応用分野
この技術は、以下の分野で応用が期待できます:
- 防犯や捜査における位置特定
- 観光地の情報解析やガイド作成
- 古い写真や地図を使った歴史研究
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